[2021/05/01から] VPC Peeringの料金体系が変更になっていました [同一AZなら無料!]

[2021/05/01から] VPC Peeringの料金体系が変更になっていました [同一AZなら無料!]

これまではVPC Peering通信時、同一AZであってもAZをまたいだときと同じ$0.01/GBのデータ転送料金が発生していました。今回のアップデートで同一AZであればVPC Peering通信時のデータ転送料金が無料になりました!
Clock Icon2021.05.31

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はじめに

清水です。本エントリでお届けするアップデート情報はこちら!少し前(2021/05/05)にポストされたアップデートですが、VPC Peeringの料金体系が変更になりました。嬉しいことに同一AZ内のVPC Peeringの通信が無料になっています!

これまでVPC Peeringについては、同一アベイラビリティゾーンでの通信であっても、アベイラビリティゾーンをまたいだデータ転送と同じ$0.01/GBのデータ転送料金が適用されていました。(In/Outそれぞれで各方向$0.01/GB。)今回のアップデートでは同一アベイラビリティゾーン内でのVPC Peering通信時のデータ転送料が値下げされ、なんと無料になります!アベイラビリティゾーンをまたいだVPC Peering接続時の料金はこれまでと変わらず$0.01/GBですが、こちらはアベイラビリティゾーンをまたぐ際のデータ転送料金と同一です。そのためVPC Peeringを使用する場合にも特段追加の料金がかからなくなった、ともいえるかと思います。大変嬉しいアップデートですね。

なお、今回の料金体系の変更(同一アベイラビリティゾーンでのVPC Peering料金の無料化)は2021年5月1日より実施されており、対象はすべてのAWSリージョンとなります。これまでのAWSの値下げ対応と同様に自動的に適用されるため、特に何もしなくてもAWS利用料金が減っているはずです。なお、ap-northeast-1aといったアベイラビリティゾーン名についてはAWSアカウントごとに割り振りが異なり、同じアベイラビリティゾーンを示しているかどうかはアベイラビリティゾーンID(AZ ID)での確認が必要な点に注意しましょう。

これまでのVPC Peering料金を確認してみる

現在(2021/05/31時点)、VPC Peeringの料金について記載があるページを確認するとアベイラビリティゾーンをまたいだ場合のデータ転送料金のみが記載されています。これは今回のアップデート適用後の料金ですね。

オンデマンドインスタンスの料金 - Amazon EC2 (仮想サーバー) | AWS

Wayback Machineを使ってこのページの履歴を遡ってみましょう。2021/05/01より前、2021/04/18のページが確認できました。VPC Peeringの場合はアベイラビリティゾーンまたぎの有無にかかわらず、$0.01/GBの転送料金であることがわかります。

オンデマンドインスタンスの料金 - Amazon EC2 (仮想サーバー) | AWS

こちらの料金は割と昔から(おそらくVPC Peeringリリース当時から?)同じで、例えば本DevIOの2015年のエントリ([VPC Peering] 異なるAWSアカウントでのVPCピア接続を試してみた | DevelopersIO)にも、以下の記載があります。

ただし、VPC ピア接続を利用した通信は同一アベイラビリティーゾーンであっても、パブリックIPアドレスを利用した場合や、異なるアベイアビリティゾーン間のデータ転送と同じ料金(2015年7月現在$0.01/GB)が適用されます。TB単位のデータをVPCピア接続で転送する際にはご注意ください。

[VPC Peering] 異なるAWSアカウントでのVPCピア接続を試してみた | DevelopersIO

ということで、このアベイラビリティゾーンをまたぐ/またがないにかかわらずVPC Peering使用時には発生していた$0.01/GBのデータ転送料金が、VPC Peeringを使わない場合と同じように、アベイラビリティゾーンをまたいだ場合にのみ$0.01/GBが発生することになった、ということが確認できました。

なお、リージョン間VPC Peeringについては、転送されるデータ量に対し標準のリージョン間データ転送料金が発生します。(こちらは今回のアップデートでは特に変更ありません。)

アベイラビリティゾーンについて

今回の料金体系変更のミソである、「同一のアベイラビリティゾーン」について確認しておきましょう。VPCでサブネット作成時などにアベイラビリティゾーンを指定します。EC2インスタンスががどのアベイラビリティゾーンに起動しているか、といった確認もできますね。

このアベイラビリティゾーンのap-northeast-1aap-northeast-1cといった表記については、AWSアカウントごとに異なるアベイラビリティゾーンを示している可能性があります。そのため2018年末ごろからアベイラビリティゾーンID(AZ ID)というものが追加され、AZ IDで示しているアベイラビリティゾーンを具体的に確認することができるようになりました。(それ以前はping値などから推測する方法ぐらいしかなかった気がしています。)

現在はマネジメントコンソールのいろいろな場所でAZ IDの確認ができるようになっています。以下のスクリーンショットではap-northeast-1aID: apne1-az4ですが、他のAWSアカウントではap-northeast-1aID: apne1-az1ap-northeast-1cID: apne1-az4かもしれません。ですがAZ IDが合致するように意識すれば、実際に同じアベイラビリティゾーンと通信が行えることとなります。

まとめ

VPC Peeringの料金体系の変更、同一アベイラビリティゾーンでのVPC Peeringデータ転送料金の無料化についてまとめてみました。コストダウンにつながる他、データ通信によるAWS利用料金を試算する場合にVPC Peeringの有無ではなく、アベイラビリティゾーン間の通信かどうかのみ考慮するだけで済み、シンプルになりますね。AWSは断続的、自動的に値下げを実施しており、今回もその一環になるかと思います。そしてこれまではVPC Peeringに対し、同一アベイラビリティゾーンでもアベイラビリティゾーンをまたいだのと同等のデータ通信料金が発生していたのが、今回のアップデートでなくなったということは、内部的な通信経路の改善などがあったのかなぁ、などと想像したしだいでした。

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